Diary

陶芸のしごとつづけてます

おばあちゃんの記憶

最近おばあちゃんの認知症がまたすこし進行したなあ、と思う。

 

なんと書けばよいのか

これまでも何度もおなじことを聞くことはずっと変わらないのだけど、その感覚が短くなった。

おばあちゃんは「記憶が消える」というようになった。

(今にしてみると、情報が脳に入らないような感覚なのかもしれない。)

 

例えば夜ごはんを食べているとき

「お姉ちゃんはまだ仕事なの?」

「そうだよ、残業だよ」

「大変だねえ、でも忙しいことはありがたいことだねえ」

「ほんとだねえ」とやり取りし、別の話をし、ふとまた姉のことを思い出すとこれを繰り返す。ご飯中ずっと繰り返す(新しい情報が入らない)ので1時間くらいこのやり取りをするときもある。

突然過去のことを思い出して泣いたり、情緒不安定なこともある。泣かれるとこっちもどうしていいかわからなくなる。そりゃあ、自業自得でしょう、、、という内容もある。 

 

ずいぶん気の強いおばあちゃんだったから、認知症が始まったときはこっちもおばあちゃんに対して

「さっき言ったじゃん、何度も聞かないでよ」とか

「それ聞くの3回目だよ」とよくケンカした。

気の強いおばあちゃんもよくそれに対して本気で怒ってきた。本当に腹が立った。すごく怖い。認知症が発祥して、やっと普通の(私の想像する)おばあちゃんになった気がする。それほどにうちのおばあちゃんは怖かった。喧嘩なんてできたもんじゃあなかった。

 

2年前おじいちゃんが亡くなって認知症がぐっとすすんだ。

今年の春イギリスから帰国して、家族がおばあちゃんに対してどういう態度で接すればいいのか、わからなくなっているような気がしてわたしは態度を変えてみた。

母とおばあちゃんは血がつながってないし、今まで一緒に生活してきた辛さからそれはできなさそうだった。それはしょうがないと思う。

 わたしは、おばあちゃんを赤ちゃんのように思うようにし、態度を変えた。

そしたら「できて当然」のことは「できなくて当然」に変わるし、やさしくできた。(回数が増えた)何度も何度も質問されても答えられるようになった。

変えた点は

・記憶が持たないから、難しいことは言わない

・パニックにならないように新しい情報は入れない(決まった事に対しては対応可能)

・出かける予定は前もって知らせない(その日に知らせ、でかける)

・ある程度の嘘はつく(例えば母が出かけると怒るので仕事へいっている等)

 

でもたまに記憶の定着がまったく違う情報になってしまうので、それについて「違うよ、本当はこうだよ」と口出しすると「私のことなんだから、覚えてるに決まってる!アンタにそんな事いわれたくない!」と怒鳴られた。それはそれは気の強いときのおばあちゃんだった。

これらはもうおばあちゃんにあわせるしかない。おばあちゃんは外面がいいので、よその人に変に言っていないか心配になってたけどあきらめた。

 

家族によってそれぞれ症状は違うし、性格も家族関係も違うから、どのように対応すればいいのかは改めて難しいんだなあと思った。特にうちのおばあちゃんはキツめなので、家族も様子を伺いながら戦っていくしかない。

 

ニュースでいろんな情報を見るけれど、家族だけではどうにもならないつらさがあるし、介護施設で虐待なんかの話を聞くと心が痛む。

 

クリスマスイブですね、この記事を読んでくれた人、たくさんの人にうれしいこと、幸せなことがたくさんありますように。

メリークリスマス!い!ぶ!